約 1,746,060 件
https://w.atwiki.jp/rangers-strike/pages/291.html
RS-120 ゴーゴージャイロ Mユニット パワー5+ CN- BP4000 SP- ノーマル 追加条件 自軍Sユニットを1体コマンドゾーンに送るか捨札にする 【空輸搬送】 これをラッシュしたとき、自軍コマンドゾーンからリリース状態のMユニットのカードを1枚選び、 ラッシュエリアに出してもよい。ただしラッシュのための必要パワーと追加条件は満たすこと。 メカ/航空機 アーステクノロジー 轟轟戦隊ボウケンジャー フレーバーテキスト 謎多き吹き溜まりの大地を隈なく探査すべく、特別チームが結成された。 備考・解説 イラスト F.M.U 収録エクスパンション 第2弾 自販機&パック XGATHER ザ・ギガンティックタイタン 自販機&パック 関連カード Q&A Q: A:
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/729.html
ルイズにはなにが起こったかわからなかった。 目の前のものが『何』かは理解できる。 だが『なぜ』そこにいるのか? それが理解できなかった。 周りの皆の嘲笑がそれを理解させた。 「さすがは『ゼロ』のルイズ! 平民を召喚するなんて!」 「君はやればできる子だと思ってたよ! ププッ」 ルイズは瞬時に行動に出る。 「ミスタ・コルベール! やりな――」 「だめです無理です儀式です。君には最後までやってもらいます」 ハゲは否定する。頭皮は拒絶する。それは絶対的宇宙意思―― ルイズはあらためて『それ』を見る。 相手のほうも、なにが起こったかわからないようで、怯えている。 それにしたって異常な怯え方だ。 よく見るとずぶぬれで、手には何か包みを持っている。 「ちょっとアンタ!」 声をかけるとビグゥッ! と震えた。ルイズぷちショック。 「あ…あなたは?」 「…聞いて驚きなさい、わたしの名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」 そして! 間髪いれず! 一気に!! 「平民の分際で! 貴族にこんなことされるんだから感謝しなさいよね!」 その唇に! キスをッ! ブチュルブチュルとブチ込んだッ!! そいつの左手にズギュンとルーンが刻まれていく。 (間違いないわ…ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール…『この人』は……) 『女の子が好き』 ~百合の使い魔~始まらないよ! 一体なんでこんな事になったのか、今でもわからないわ―― ――わたしはただ、小瓶を拾ってあげただけ。 このグラモンとかいう人をどうこうしようなんて、まるで考えてなかった。 小瓶を机の上に置いた途端、彼の周りが騒がしくなったの。 それから――すごい平手打ちだったわ。食堂中に音が鳴り響いたもの。 ――でも、それだけじゃなかった。 ワインを頭からかけられて、極め付きの一言―― 「最低! もうそのワイン臭い面見せるんじゃないわよッ!」 彼は私のことをすごい目つきで見てた。 「君は確か…ミス・ヴァリエールの……」 「ちょっとギーシュ! 人の使い魔に何ちょっかいかけてんのよ!」 そこに彼女が割って入ってきた。 「使い魔の不祥事は主の不祥事……償ってもらうぞヴァリエール! 『決闘』だッ!」 「はぁ? 急に何言い出してんのよアンタ?」 「ぼくが勝ったら……」 「話聞いてる?」 本当に、何がなんだかわからないの。 「彼女をぼくにくれッ!! 決闘だ! 『愛』のために!!」 (これで間違いないわ…ギーシュ・ド・グラモン…『この人』は……) 『私のことが好き』 ~百合の使い魔~決闘祭りよッ! ルーシーは、特に決闘に興味が無かったので、ルイズの部屋でごろごろしていた。 何しろ、この部屋には『脊椎』が置いてあるのだ。出来るだけそばにおいておきたい。 もしかしたら『遺体』のパワーで突然元の世界に戻れるかもしれない。 ガチャリ、とドアが開いてルイズが入ってきた。 「お帰りなさ――どうしたのその顔!?」 ルイズの顔は随分とひどく腫れ上がっていた。 そして同時に晴れ上がった顔でガッツポーズを取るルイズ。 ルイズの話によると、決闘は両者が同時に杖を落としてしまい、素手による乱闘に突入。 ギーシュは空気投げでルイズを翻弄し、ルイズは逆立ちでギーシュを困惑させる。 それでも決着がつかず、お互いを強敵(とも)と認め合ってその場は収まったらしい。 (女の子とガチで殴り合って引き分けって、正直大概よね) (スティーブンだったらこんな華奢な女の子、一発でノシて今頃サーカスに売り飛ばしてるところよ) (ルイズってそういう層に需要が高そうだし、割りといい値段がつくわね) (そういえば家柄も貴族だし、キュルケのサラマンダーどころの話じゃないわ) (好事家に見せたら、値段なんかつかないわ) 夫のことを思い出してセンチな気分になるルーシー。彼は今大丈夫だろうか? ルイズがベッドに寝転んできたので、いつものように「よちよち」と頭を撫でてやる。 ゆっくりと何回か撫でてやると、ルイズは気持ちよさそうに眠りについた。 だいぶルイズも主従関係というものがわかってきたようだ。 何者かに見られている感覚を味わいながらルーシーは思った。 (間違いないわ…オールド・オスマン…『あの人』は……) 『スケベジジイ』 ~百合の使い魔~盗撮祭りよッ!
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2325.html
これは未だ訪れる己の運命を知らぬ女の物語 多次元宇宙の枝の一つの話 サモン・サーヴァントで血まみれの男を召喚したマチルダ 彼女はその男を貴族と勘違いし看病した しかし、気づいた男はただの平民 だが、ただの平民ではないようなそうであるような男 目覚めた男とマチルダは話し、一つの決断をした それがもう一つの物語となることを彼女は知らない 第3話「俺の名前はカミナだ!」 「はあ? てめえ、何言ってんだ?」 「言ったじゃない、召使いって」 カミナは目の前の自分より頭一つ小さい緑髪の少女を見下ろした。 当然じゃない、と言った面持ちで胸を張っている。 「貴族のすぐ側で仕えることができるなんて早々ないことよ? それに、あなた 何処にも行くところないんでしょ? だったら――」 「断る」 「はあ?」 マチルダの顔が歪む。可愛い顔が台無しである。 「助けてくれたのは感謝する。だが、誰かの下で働くなんてえのは 俺の生き方に反するんでな」 カミナはふんと腕を組み少女を見下ろす。 「断る」 物凄い態度である、しかも偉そうである、平民なのに。 唖然としているマチルダをよそに、カミナはシルクの服を脱ぎ捨てると ズボンにマント、腹にサラシといつもの出で立ちで部屋を出て行こうとする。 「ま、待ちなさいよアンタ!!」 「あん?」 その行動が余りにも突然すぎて一瞬惚けてしまったが、駆け出し、マチルダは 男の前に立ちふさがる。 「アンタ、何処に行くつもりなのよ?!」 「篭りっきりてえのは俺の性にあわねえ。穴ぐら暮らしじゃねえんだからな。 だから俺はここから出て行くぜ!」 意味不明である、理解不能である。 というか、まだ怪我だらけなのに何を考えているというのか。 「怪我は!?」 「死んじまったはずが蘇っちまったんだ。こんなの怪我のうちにゃあ入らねえさ。 それにだ、見たことねえ場所なんだ、ぐるりと見てみてえ」 「って待ちなさい!」 机の上においてあった奇妙な色つき眼鏡をかけ、自分を押しのけ出て行こうと する男をマチルダはぐいと押し留めた。 「だから何だよ? 召使いとかそういうのはお断りだってだな――」 「あんたね、分かってる?」 「あん?」 首をかしげ、眼鏡の奥の瞳が疑問符を浮かべた。まったく分かっていないらしい。 マチルダは頭が痛くなるのを感じた。 「アンタを治療するためにお金かかってんの。たくさん水の秘薬使ってるの。 ま、私が太守の娘だからそんなの大したことじゃないんだけどね。 でもね。これ、平民が払えない額のお金よ?」 これで理解できるだろう、そう思ったマチルダ。だが、次の言葉は そんな彼女の考えを一瞬で吹き飛ばす。 「なんだ、『オカネ』って?」 「え?」 マチルダの思考は止まった。ついでに周囲が凍り付いた。 「『オカネ』っっつーのはなんだ?」 「は………は………はいぃぃぃぃぃぃぃぃ?!」 首をかしげる男のまん前で、マチルダは貴族の娘らしからぬ素っ頓狂な 叫び声をあげた。 「あん?」 だが、そんな彼女の驚愕の理由を知らぬカミナは首をかしげて疑問符を 浮かべる。 目の前ではよっぽどショックだったのか、ぶつぶつと唸ってる少女の姿。 もっとも、カミナが金の概念を知らないのも当然である。 いわゆる自給自足でサバイバルな生活が基本の世界で金など糞の役にも 立たない、というかそんなの存在するはずがない。 ゆえに、『カネ』なんて知らないのである。 まあ、目の前であんぐり口を開けてる少女を見ているのもおもしろいが、 やっぱり外の方が興味がある。 「んじゃ、行くぜ」 何度か手を目の前で振ってみたが、こちらには全く気づかない様子なので カミナはあうあうと呻いてる少女の横を通り過ぎ、ドアの外へと出た。 「やっぱ………ちげえんだよなぁ?」 ううむと、カミナは顎に手をやる。 ジーハ村の複雑怪奇に捻じ曲がって入り組んだトンネルと比べれば、 単純極まりない造りの建物の中をすたこら通り抜けつつ、うむむとカミナは呟く。 直感的にだがカミナはここが自分のいた世界と何かが違う事は気づいていた。 それは論理とか道理とかそういった細かい事や理屈で説明できるものではない。 口で説明できるようなものではないのだ、こう、漢としては。 ただ、なんというか空気が違うとしか言いようがない。 緑いっぱいのこの風景だけじゃない、肌に感じるものが違う。 だが、だがそれにも関わらず、何かがカミナの中で同じだと告げている。 違うように見えるがどこかが同じだと言っているのだ。 違うのに同じだが同じで違う、同じが同じで違うが違う? 同じは同じで違うは同じで違うは同じだから違うは同じ? 「あー………わかんねえ」 悩むのは性に合わない、堂々巡りでぐるぐる螺旋模様になりそうな頭を ボリボリ掻きながら、カミナはひょいと近くにあった窓から飛び降りた。 着地は鮮やか且つ完璧だった。 獣人との大喧嘩でさんざん暴れまわっただけの体力筋力があるのだ、飛び降りた としても建物2階分くらいの高さはカミナにはたいした問題ではない。 腕やら腹やら痛むのは仕方なし、漢は黙って我慢なのだ。 つーんと来る痛みを堪えカミナは再び歩き出す。 ぶらりぶらりと歩いていると、さっきまで寝ていたでかい建物は木々に 隠れて見えなくなる。 「…………」 カミナはくいっと首だけ振り返った。 そういえばあの建物、獣人の乗ってたデカブツ、たしかダイガンザンだったか、 あれと良い勝負したでかさだった気がする。 顔はなかったが、もしかしてあれも動き出すんじゃなかろうか? そんなことをううむと顎に手を当てカミナは考える。 腕が生えて、足が生えて、どっすんどっすん歩き出す。 うん、ものっすげえでかくて良い感じだ。 しかし、だ。 カミナは後ろにやった首を今度は天辺へとぐいっと伸ばした。 「……へへっ、やっぱお天道様っつーのは気分が良いもんだよな、おい」 さんさんと自分に照りつける太陽に手をかざし、カミナはにっかりと笑う。 死んだはずの自分がこうやって、こうして、再び自分の二本の足で立って 歩いている。 嬉しいか嬉しくないかと言えば、嬉しくないと言ったら嘘になる。 嬉しいのだが、ただ、寂しさはある。 あの後シモンやヨーコ達、大グレン団の仲間達がどうなったのかも気になる。 自分が死んだ事で涙を流すシモンやヨーコの姿を夢にも見た。 「だがよ」 そんな寂しさや不安なんて拭いただけで吹き飛んでしまう瑣末なものだ。 カミナは信じている、自分の信じた仲間達がそんな事で膝を折るわけが ないと確信している。 自分の強がりを支えてくれたシモンが皆を引っ張ると確信している。 自分に「進め」をくれたシモンが立ち止まるわけがないと理解している。 はは、と軽く笑う。 少し感傷的になりそうな目頭をくっと押さえ、カミナはまた歩き出す。 今の自分はただのカミナだ。 たった一人の、ただのカミナだ。 自分の強がりを押してくれる奴もいない、すっぴんのカミナだ。 だからこそ。 「俺は俺なりにまた最初っから始めてやるぜシモン、ヨーコ………!」 マントを翻し、カミナはかっこつけてみた。 お天道さまに手をぐいっと突き出し、にんまりと笑った。 しかし、 「勝手にどっか行こうとしてんじゃなぁぁぁぁぁあぁい!!」 「何だァァァ!!??」 なんと、カミナの目の前に空からあの少女が降ってきた。 木々の間から、ドザザザザッと降ってきた。 そう、その様はまるでジーハ村にあの牛面ガンメンが落っこちてきた時や アダイで落っこちてきたガンメンを思い返させるようで。 というか、大体落っこちて来てるのがガンメンというのが驚きだ。 ついでに人間が空を飛ぶというのは見たことがない、これも驚きである。 獣人の中には空を飛べるのもいるかもしれないが見たことがないので 知らない、なので驚きである。 驚く・驚き・驚いたと驚が三つと驚き尽くしの三連発ときたものだ。 「おおぅ!? いきなり空から人が降ってくるたあ何だァ!?」 「黙りなさい! あんた、私を放置するとは良い度胸してるじゃないの!」 ぐいと、少女が目の前によってきた。 「人が唖然呆然してるのを良いことに出て行くとは最高よ、笑えるわ。 しかもお金を知らない? どこの蛮人だってえのよ、ええ!?」 どうやらこの少女、普段は普通に喋るらしいがキレると口が悪くなるタイプ のようだ。 あの銭湯で獣人どもが人間に化けたように人間というやつもころころ変われる らしい。今更ながら裏表のない個性的メンバーに囲まれていたカミナは 案外冷静にそんな人間の心の機微に触れ感心した。 もっとも、今考えるべき問題はそうではないのだが。 「ちょっと、聞いてるの!?」 「ん、なんだ?」 「なんだ、じゃないわよ!」 さっきと同じく自分の顔面にビシっと指をさす少女。 「ホント、アンタふざけてるわ。人がお情けで召使いにしてやろうというのに 無視して、あまつさえ逃げ出すんだから。 でも、よくよく考えたら仕方ないわよね、アンタお金も知らない平民で 野蛮人だもの」 いきなりカチンときた。 これまた酷くむかつく言い草だった。 冗談やなんかで言ってるならまだしも、本気で人を馬鹿にしている言い草だ。 少女の目つきにカミナはぐっと眉間に皺を寄せた。 この目つき、あのジーハ村の村長と同じだ。 あの気に食わない、テメエ勝手なオヤジの目つきだ。 「良い? アンタのいたとこがどんだけ野蛮で未開の蛮族の土地か知らないけどね ここではお金がないとな何にもできないの。アンタを治したような薬だってね、 普通はアンタみたいな奴には買えないの、分かる?」 こういう鼻持ちならない言い草、女であっても気に食わねえ。 驚きなんてどこへやら、カミナは憤懣覚めやらぬ感情が腹の中で煮えくり かえるのを感じた。 てめえのバカで罵られるのは仕方ねえ。 しかし、見下すのと罵るのはまったく違う。 ついでに出来ない、無理だ、も気に食わない。 「ああ、そうよ! そもそも私は貴族、アンタは平民。平民が貴族の言う事を 聞かないなんて馬鹿げてる話だわ!」 腹が立つ。 気に食わない。 こめかみの部分で血が激しく脈打つのを感じる。 少女の言葉はなお続いている。 やれ貴族がどうだ、平民がどうだ、身分の違いがどうだこうだ。 意味の分からない事、道理云々、正直耳に一つも入りやしない。 しかし、その一句一句にカミナは頭のてっぺんあたりが火山のように 煮えたぎるのを感じた。 そして、 「もう分かったでしょ? さ、そういうことだからアンタは私の―――」 「オゥオゥオゥオゥオゥオゥッッ!! さっきから聞いてりゃずいぶん 気にくわねえことばかり言ってくれんじゃねえかッッ!!」 ばん、と大地を踏みしめ叫んだ。 頭の火山が大噴火、男だ女だ関係ない、んなこたあ知ったことじゃない。 『すっげえ気に食わない』でカミナの頭の中はいっぱいだ。 「な、何よ……!」 たじろぐ少女をしっかり見据え、でんと構えて仁王立ち。 カミナは少女をぐいっと見下ろした。 「上だ下だの関係ねえ! 偉かろうがなかろうが関係ねえ! 知ってようが 知らなかろうが関係ねえ!!」 ギンと自慢のサングラスが輝く。 丁度良く切り株があったのでそこに片足をぐいっと乗っける。 「てめえの道理なんて知ったこっちゃねえ! 俺は俺の道を行くだけよ!! 邪魔をするってえなら邪魔者全員踏みつけて! 飛び越え、くり貫き、 押し通るのみ!! 退けい、俺の道を塞ぐんじゃねえ!!」 「なっ……!! 貴族にアンタ歯向かう気?!」 「はん! キゾクだかマンゾクだか何だか知らねえが、歯向かうってえなら 上等よ!! でけえ顔面/ガンメンのさばらせるってえならぶっ飛ばすまで!! それに俺はアンタじゃねえ、俺の名前はカミナだ!!」 阿呆だ、こいつは相当の阿呆だ。 マチルダはこのどうしようもない阿呆に頭の髄が痛むのを感じた。 まるでトリステインの貴族みたいに芸がかった口ぶりもあれなのだが、 この頭の痛くなるような怒りの理由はこれだけじゃない。 目の前の男を見る。 「だが、俺は漢だ女は殴らねえ!! このまま行かせてもらうぜ漢道!!」 ふんと胸を張り、腕をがしっと組んでこちらを見下ろしている。 この態度、とても気に食わない。 助けてやったたうえに情けで召使いにしてやろうと言ったのに、こいつは それを断った。 まるで自分なんか屁でもないと言わんばかりに断った。 酷い屈辱だ。 自分が太守の娘だからというのもあろうが誰も逆らう事なんてなかったのに それをこいつはいとも簡単に断ったのだ。 こいつをこてんぱんに叩きのめして自分の前に跪かせたい、そんな嗜虐的な 感情がマチルダの中でむくむくと湧き上がる。 東には魔法がないのだろうか? だからここまで見栄を張れるのだろうか? 少し疑問に思うが、そんなのどうでも良い。 今ここでたっぷり教えてやる。 包帯だらけで可哀想だが現実というやつを叩き込んでやる。 「ふふっ」 自分自身でも驚くほどの好戦的な感情にマチルダはにまりと笑んだ。 熱でもかかったかのように身体の芯の部分がかあっと熱くなる。 「言ってくれるじゃないの。それじゃ、逆にあんたをぶっ飛ばしてあげるわ!」 マチルダは手に握ったタクトをびしっと男に向けた。 だが、 「…………あん?」 思いっきり憐れみの視線で見られた。 どうやらこのカミナという男、本当に魔法を知らないらしい。 「あー……あのよ。喧嘩を買うっていう心意気は買うんだがよ、なんだ? そんなちっぽけな枝じゃ俺を殴っても意味ねえぜ?」 だとしたら更に良いではないか。 「東の方では魔法を教わらないようね。でも、丁度良いわ。貴族に 歯向かう事の恐ろしさってのを教えてあげる」 カミナとかいう目の前の男にマチルダはさっき以上にふつふつと怒りが 湧いてくるのを感じる。 既にルーンは紡いでいる、あの男の真下からゴーレムの腕を錬金して ドカンと殴り飛ばしてやる。 情けない叫び声をあげる姿を想像しつつタクトを振り上げようとするマチルダ。 しかし、 「危ねえ!!」 「え!? あ! わ! き、きゃあっ!?」 いつの間にというのか、10メートルはあったかその距離を一瞬で詰められ マチルダはカミナに抱き抱えられ空を舞っていた。 ゆっくり時間が過ぎていく。 ほんの3秒かそこら、なのにその間が万にも億にも思える長さ。 そして、マチルダはカミナ越しに自分のいた場所を見た。 ゆっくりじわりと過ぎる時の中じんわりと爆発していく大地を見た。 吹き飛び巻き上がる砂塵を、刻々と砕けて征く土塊を見た。 【次回予告】 殴り合いには得物はいらねえ! 殴りあうならステゴロだ! 殴り・殴られ・殴り合い!! 漢(オトコ)は語れ、拳で語れ!! 分かる奴なら拳で語れ!! 分からねえ奴にも拳で語れ!! 拳で語ればなぁぁぁんにもいらねえッッ!! 次回!! 『ゼロの使い魔異聞~お前の魔法で天を突け!~』!! 「ド偉い口たたいてんじゃねえッッ!!」
https://w.atwiki.jp/cfvg/pages/3773.html
ダークイレギュラーズ - デーモン グレード〈3〉 ノーマルユニット (ツインドライブ!!) パワー 10000 / シールド - / クリティカル 1 自【V/R】:[あなたのソウルから「逢魔ヶ刻の魔攻ジャイロ」を1枚選び、ドロップゾーンに置く]このユニットのアタックがヒットした時、コストを払ってよい。払ったら、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。 フレーバー:アレを見た者は存在しない、なぜだかわかるか? 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 使ってみたいと思う 0 (0%) 2 弱いと思う 0 (0%) 3 強いと思う 0 (0%) 4 面白いと思う 0 (0%) その他 投票総数 0 コメント
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/32.html
「ちょっとギーシュ、人の使い魔の教育方針に口ださないでくれる?」 どうやら目の前の金髪の人はギーシュというらしい 「ミス・フランソワーズ、ここで人の目に付いているのが分からないのかな?」 よくよく後ろを見るとこちらを見て笑っている人たちがいる 「う・・・」 「教育をするのはかまわないが笑いものにされるのは君もよろしくないと思うのだが」 ギーシュさんがこちらに手を出す 「あ、どうも」 その手をとり立ち上がる。いい人なのかもしれない 「平民風情が貴族に手を出してもらったんだ。光栄に思うことだね」 ・・・この世界は平民とか貴族とか階級に拘り過ぎている面があると思う 同じ人間なのにこう気を使う必要があるんだろうか 「まあ使い魔探しはこれで終わらせてもらうよ。僕には僕の用事があるからね」 「別に協力してとは頼んだ覚えないけどね」 「それじゃあね。ゼロのルイズ」 「・・・ドッピオ、さっさと部屋に戻るわよ」 「・・・はい」 ゼロのルイズと呼ばれたとき、ルイズさんに怒りの表情が見えたのは気のせいではなかったと思う その後大きな食堂で食事を取った後部屋まで2人は帰ってきた 二つの月が登り日は暮れていた 部屋に入るなりルイズは指を鳴らしランプを付ける ランプに驚き珍しそうに眺めながらさっきから口を開かない少女の事を考えていた 沈黙が気まずくてたまらないため何か話しかけようとあれこれ考えているとベッドに座っていたルイズは頭を上げて言った 「うん、やっぱあんたが何だろうと関係ないわ!!」 「…いきなり何の話ですか?」 貝のように口を閉ざしていたルイズに仗助は驚く 「あんたがその…精神障害でも平民であり私の使い魔よ!!その事実は全てに優先するわ そうよ!!こいつをどうしようかなんて考える必要が無かったのよ!!」 ルイズは先程までの悩んでいた顔とは別人のように明るく楽しそうに言いうんうんと頷いた 「悩みが解消されたのはめでたいですけど、言っていることがわからないんですが・・・・・」 半分呆れ顔のドッピオをルイズはビシッと指差し叫ぶ 笑いながら何かを投げてよこしながら 「それ、よろしくね」 「わっと・・・なんですか?これ」 「洗濯物よ。洗っておいてね」 「え!!パンツもですか?」 「使い魔らしくご主人様の身の回りの世話ぐらいしなさいよ!!じゃ寝るから」 言うだけ言うとさっさとベッドに潜り込み指を鳴らし灯りを消してしまった その後ドッピオは数回言葉を交わしたが無駄だったため諦めて洗濯をすることにした とわ言ってもドッピオは洗濯と言うものを出来るかどうか不安だった 「・・・すいませーん」 道具も無い以上、出来るわけも無い 昼間の脱走のうちに見て回ったところの一つ、メイドさんたちが働いていた所についた 「・・誰かいませんかー?」 だが無人、夜も少々遅い時間に入ったためか無人だった 「・・・ちょっとだけ借りて行きまーす」 おそらく洗濯に必要と思われるものを拝借し、後は水道と思われるところに戻るだけです 「誰かいるんですか?」 「うわああ?!」 「きゃ・・?!」 無人と思ったら見回りと思われる人に見つかってしまったドッピオはつい叫んでしまいます 誰だって夜に人がいないと思っていたのにいきなり声をかけられたら驚きます ちなみにちょっとドッピオは拝借するのに罪悪感がありました。吃驚するのも当然です 一方見回りの人も驚いています。いきなり叫ばれたら誰だって驚きます 「す・・すいません!すぐに戻しますから!」 「こちらの方こそすいません!いきなり来てしまって」 ゴチンッ! 「イタっ!」 「っ・・!」 反射的に謝った二人の頭と頭がぶつかってしまいました 「・・重ね重ねすいません。僕は洗濯に必要なものを取りに来たんですけど」 「っ・・お洗濯に必要なものをですか?」 暗がりの中、よく見るとその人はメイドさんでした 「・・あの、どういう物がいいか教えてくれませんか?」 「お洗濯をですか?」 「・・・えっと道具さえ教えていただければこっちでやろうと思ってるんですけど」 「・・お洗濯の道具でしたら・・あ、これは食器用の洗剤です」 「あ、すいません・・」 「お洗濯でしたらこちらの洗剤を使ってくださるといいと思います」 こうして妙な譲り合いの会話がしばらく続きました 「いろいろ教えていただいてありがとうございます」 「あ、いえそんなに気になさらないでください」 「えっと・・・それじゃ僕はこれで!」 ドッピオは自分がいろいろ間違っているのを指摘されて恥ずかしくなっていました 少し逃げるように洗い場に行こうとしますが 「あ、あの!洗い場だったらこっちのほうが近いですよ!」 と、また指摘されてしまったのでした 「・・ありがとうございます。それではこれで」 「あまりお気になさらないでください」 近いといわれた洗い場に歩みを進めるドッピオでしたが (・・あ、名前とか聞いておいたほうが良かったかも) なんてことを考えていました 「・・ふう」 ドッピオはドッピオなりに洗濯を頑張ってみましたがやっぱり素人、洗濯物は半分も終わっていません 「・・・やり方が悪いのかな?」 洗濯板にこすって汚れを落とすのですが良く洗わないと汚れが落ちません 「・・・力を入れるとダメみたいだし」 少々力んでしまってほつれてしまった服も少しあります 「うーん、どうすればいいんですか?ボス」 左手に石をもって言ったドッピオにディアボロは (私が知っていると思うか?) と、予想どおりに答えます 「・・・あの」 と、ディアボロ以外から話しかけられました 「貴方は・・・えっと」 「シエスタです。その、お洗濯で困ってるように見えたんですけど」 事実困っていました。家事スキル0のドッピオとディアボロがやっても上手くいく訳がありません それでもディアボロよりもドッピオのほうが上手と言えば上手でした ディアボロは力を入れすぎてしまい服をほつれさせてしまうのです ドッピオは力を入れて服をダメにしてしまうのが怖いため、ゆっくり丁寧にやろうとします ですが結果として遅くなってしまいます 「シエスタさんの言うとおりです・・・ちょっと困っていまして」 「・・良かったら教えましょうか?」 「え?いいんですか?!」 「よろしければなんですけど」 「もちろん大歓迎です!」 ドッピオに洗濯物の救世主が現れました。今のドッピオには女神にも等しいでしょう 「ここはこうやったほうが早く・・・」 「じゃあこれはどうしたらいいんでしょう」 「前もって薄めた洗剤水の中に入れておけば落ちやすくなります」 「なるほど・・・」 シエスタ開催、お洗濯講座も少し立つとドッピオは家事スキル0から3くらいまであがりました ちなみに家事スキルは10まで、10基準はシエスタです (・・・ふむ) ディアボロも少々関心があったのか邪魔をせず、お洗濯講座を聞いていました 「こんな感じなんですけど・・・」 とお洗濯講座が終わるころにはもう残りの洗濯物はなくなっていました 「教えてくださってありがとうございます」 「え?」 ドッピオは感謝の表れをと思って礼をしました 「そ、そんなこれくらいで、お礼なんていいですよ」 「いえ、最初の僕と比べたら要領も分かるようになったんです シエスタさんのおかげです」 ドッピオは本当に感謝していました 「・・・お礼だけで十分ですよ。道具は私が後で戻しま「いえ、そこまで迷惑かけられません」 シエスタの言葉をさえぎってドッピオは言いました 「教えてもらった上にそこまで迷惑かけられません。 昼間とかも働いてたんですからもう寝てください」 「・・・それではお言葉に甘えさせていただきます。 あ、その前に」 「なんですか?」 「お名前を聞かせてもらってもよろしいでしょうか」 「・・ドッピオです」 「ドッピオさん、おやすみなさい」 「はい、おやすみなさい」 こうしてお洗濯によってドッピオに新しい知り合いが出来たのでした 洗濯物も干しました。後は眠るだけなのですが (ドッピオ、大丈夫か?) 「・・大丈夫です。ボス」 ドッピオは眠りの限界寸前のようでした。洗濯に時間をかけすぎたのです (・・それにしても) ドッピオは昼間に考えたことをまた考え始めました (・・・二つの月、地球とはまったく違う世界) ここでボスと一緒に静かに暮らしていく、だけどボスは野望を果たそうとするだろう (・・・ボス、ここで静かに・・・) ドッピオの意識は緩やかに落ちていった (・・・・・・) ドッピオが眠りについたとしてもそれは意識が眠りついただけであり、ディアボロ自身は起きていた もっとも表層意識にディアボロが来たわけだが (・・・ドッピオ) ドッピオの考えが頭に浮かぶ。そう、ドッピオの考えはディアボロにも分かっているのだ それをドッピオは知らない。自分の心の内にだけ留めていると思っているものもディアボロには知れている (・・・何を考えている。俺は俺の野望を果たすだけだ) 次があるか分からない。だからこそここで我が野望を果たす だがここでゆっくり暮らすのも悪くは無いと思ってしまう (・・・今は、今はここで) そう、まずは情報を集めてから そう自分に言い訳をしながら、ディアボロも眠りに入るのだった 4へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/321.html
凶~運命の使い魔~第一岩 凶~運命の使い魔~第二岩 凶~運命の使い魔~第三岩 凶~運命の使い魔~第五岩
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1222.html
ドドドドドドドドドドドドドドドド………… ルイズはギーシュを睨みつけていた。 正直最初はブラック・サバスを連れ出してさっさとこの場から離れようと思っていた。 しかしギーシュから『侮辱』を受ける少女が、悔しさで肩を震わせ涙を流すのを見たとき 自分の頭の中で何かがプッツンした。 ギーシュとメイドと野次馬たちの視線が自分に集まる。 ブラック・サバスは……テーブルの上のデザートを見つめていた。おい、誰のせいでこうなったと思ってんだ。 ギーシュは芝居がかった仕草でルイズの方を向いた。 「侮辱?ミス・ヴァリエール、君には関係ないことだと思うんだけど?」 「関係あるわよ、同じ貴族としてね。もともと悪いのはあんたでしょ。それを他人のせいに……しかも相手が平民だからって馬鹿にして。 貴族にはあるまじき行為よ。あんたは貴族と平民の両方の誇りを傷つけてんの!」 「なるほど、ミス・ヴァリエール。『ゼロ』の君は平民の心がよく分かるらしい」 ギーシュのその言葉に回りからドッと笑い声が上がる。 ルイズはそれら全てを無視し続けた。 「それにあんたは私の使い魔も侮辱した」 「使い魔?…………それってコレのことかい?」 ギーシュがコレと言って指差した先で、ブラック・サバスはデザートのケーキを口の中に放り込んでいた。 「……………………そうよ」 自分の使い魔と紹介したことをちょっと後悔しつつルイズは答えた。後でオシオキね………。 「君の使い魔は召喚したと同時に死んでしまったという噂だったんだけど…… しかしメイジの実力を見るには使い魔を見ろとはよく言ったものだね この素行の悪さなんか君にそっくりじゃないか」 ギーシュの嫌味たっぷりの言葉にまたもや回りのギャラリーから笑い声が生まれる。 ルイズは悔しさを顔に出さないが、両手をグッと握り締めた。隣で泣いているメイドも嘲笑された時同じ気持ちだったのだろう。 味方がひとりもいない中、嘲笑の的にされる気持ちは誰よりも分かる。 ルイズが何か言い返そうと口を開きかけた…………が、先に口を開いたのはブラック・サバスだった。 そしてその口から出てきたケーキは、ギーシュの顔面をクリームだらけにした。 本日二度目のザ・ワールド!皆がクリームまみれのギーシュを見て唖然としている。 …………この世界で最初に動いたのはルイズだった。 「…………フ…………フフフ………」 何をやっているのだ自分の使い魔は? いきなり私を襲ってくるし、分けわかんないことをオウムみたいに繰り返すし 洗濯物食べてどこか消えるし、授業でないし、片付け手伝わないし、揉め事を大きくしてるし……でも 「フフフフフフ…………フハフハフハハハハハ!」 でも、今のは最高だったわ!最高に「ハイ!」って奴だわアアアアアア! 「アハハハハハハハハハハハハ!」 ルイズは腹を抱えて笑っていた。こんなに心の底から笑ったのは久しぶりだった。 おかげでギーシュが自分たちに決闘を申し込んだのを聞きそびれるところだった。 ばか笑いを上げるルイズをほっといて、ギーシュは他の生徒を連れて先に広場に向かって行った。 食堂に残っているのは、3人のメイジと1人のメイドと1匹の使い魔。 ルイズは一応ブラック・サバスに文句のひとつでも言おうと、笑いを抑えるのに必死だった。 シエスタは展開についていけず、ただ涙を止めようと必死だった。 ブラック・サバスはボーっとしていた。 タバサは食後の読書タイムだった。 そしてキュルケは機嫌の悪そうな顔でルイズの方に近づいてきた。 「ちょっとルイズ!説明しなさい!その使い魔は死んだんじゃなかったの!?」 キュルケがルイズに詰め寄る。ルイズは笑いを抑えるために一度大きく深呼吸してから答えた。 「あぁ…………ごめん」 「え?」 意外な返事にキュルケは言葉に詰まってしまう。 「あんたが私の使い魔のことで考えてくれてたのは分かってたけど、こっちも色々あって説明するヒマがなかったのよ」 「あら~?えらく素直じゃない?」 皮肉たっぷりに答える。 「どーせこの後決闘のやじ馬するんでしょ?辛気臭い顔で見られてたら勝てるものも勝てなくなるのよ」 キュルケの方を一切見ずに言う。 言われたキュルケは思わずポカンとした顔をしてしまう。が、しばらくしてプッと噴いた。 「何よ」 「別に…でもあんたの使い魔なかなかやるじゃない。今のはなかなか傑作だったわよ」 そう言ってニヤリと笑うキュルケに釣られて、思わずルイズも再び笑いそうになってしまう。ヤバイつぼだ。 「申し訳ありません!私なんかの為に大変なことになってしまって!」 シエスタがペコペコと頭を下げて会話に入ってきた。その顔はまさに顔面蒼白である。 「勘違いしないであんたの為に戦うわけじゃないんだから。大体あんたは何も悪くないじゃない。 ギーシュが二股して、私が文句言って、こいつが話をややこしくした。だから決闘を申し込まれた。あんたの為に決闘するんじゃないのよ。 だから…………そうね。あんたが侮辱された分は、私がギーシュを倒してあんたに謝りに来させるから、それでいい?」 ルイズは事も無げにそう答える。 「そんな!謝罪なんてけっこうです!本当にいいんです!ミス・ヴァリール!そのお心遣いだけで十分です!決闘なんて危険です!」 シエスタは数時間前のブラック・サバスの虚弱性を見ていた。 それに自分を助けてくれたこの貴族は、確か『ゼロ』のルイズ……魔法の使えないメイジ……勝てるわけ無い。 再び泣きそうな勢いでルイズに話しかけるシエスタの肩に、キュルケの手がそっと置かれた。 「貴族が決闘を申し込んだ以上、それを取りやめることはできないのよ。それに大丈夫。今は昔と違って命のやり取りをするわけじゃないんだから。それに…」 話を途中で止めたことにシエスタは訝しげにキュルケを見たが、キュルケは気にすることなく話題を変えた。 「でヴァリエール?あれだけ啖呵を切ったんだから、もちろん勝算…あるんでしょうね?」 「勝算ね」 ギーシュ・ド・グラモン 。『青銅』のギーシュ。土系統のドットメイジ。派手好きでキザでナルシスト。 決闘には錬金で作る青銅のゴーレムを使ってくるだろう。たしか5,6体は同時に作ることができたはず……… それに対して私の使える魔法は爆発のみ…はたしてゴーレムに対して効くかどうか? ふと、ブラック・サバスの方を見てみる。なにやら今度は窓から外を眺めているようだ。 ルイズもその視線を追ってみる、この時間帯にしてはかなり暗い。 どうやらあんなに昼間は晴れていたのに、いつの間にか雲が出て二つの月を隠してしまっているみたいだ。 そこまで考えてルイズは力強く答えた。 「あるわよ」 「今の間はなによ…」 キュルケが苦笑しながらつっこみを入れるが、ルイズの自信満々の様子は変わらなかった。 「ブラック・サバス!」 名前を呼ばれた使い魔はルイズの方へゆっくりと向きを変えた。 「今度は私の言うこと聞きなさいよ」 ブラック・サバスは答えなかった。ただ首を縦に振っただけだった。 「分かったなら、返事しなさい」 そう言いながらもルイズは満足そうに笑っていた。 シエスタは不思議だった。『ゼロ』のルイズと、シエスタよりも貧弱な使い魔。決闘をするというには絶望的なコンビ。 しかし彼女たちからは不思議な安心感を感じる。 今までシエスタが出会ってきた、どの貴族たちとも違っていた。爽やかささえ感じていた。 「行くわよ」 そう言って歩き出したルイズの後を、ブラック・サバスと呼ばれた使い魔はまるで影のようについていった。 To Be Continued 。。。。?
https://w.atwiki.jp/wiki6_byakumu/pages/225.html
投稿者:高菜 葉with アルファリア大陸東方を支配する大国。 民主主義人民共和国とは言うものの、 実際やってることは帝国と殆どかわりがない。 強力な陸軍で各地を占領、現在アルファリア大陸の10分の1、 北東側を掌中に収めつつある。 国民には悪政。無茶な搾取や弾圧にも躊躇しない。 占領下の国家の市民には段階毎に分けてさらなる地獄を見させ、 卑怯にも民衆の非難の的をずらしてしまっている。 だが基本的に実力さえあればある程度以上認められるので、 高レベルの技術者等が集まりやすく、 そのため技術レベル等に問題はあまり見られない。 かつては王政を敷いていたが、100年以上前に革命が起き、 現在の共和国制民主主義へと移り変わった。 現在総書記になっているJ.T(ジャイロ=トリッシュ)=アルベスターを操り人形とし、 実権は将軍のガイル=ヴェスティが全てを握っているといっても過言ではない。 ガイル将軍のすぐ下には数名の幹部がいる。 その幹部のことだが、よく入れ替わっているのか、 それとも情報操作が完璧なのかで、殆どわかっていない。 ガイルまたはアルベスターを暗殺しようとした者は、 すべからくその後の消息が不明である。 共和国の領土にはない古代の遺産を狙って、 西方に進出しようとしているが、 なかなかどうして地形に阻まれ、まだうまく進軍はできていないご様子。 首都はアルビレオ。同名の王城が存在する。しかし、 首都以外の街や村ではかなりの重税が課せられているため、寂れているところが多い。 騎士団のレベルが高く、その中でも有名なのは、 若き騎士団長エミール=ゴッズの率いる「鋭利なる騎士団」など。 また、アメリア=ゼファーを隊長とする国防隊と呼ばれる常駐部隊が存在する。その力は侮れないものがあり、他の国家もジャイロ本国に対する攻撃には手を焼いている。 # とりあえず、悪役として適任。そんな国家。 # 悪役キャラ募集中。集え悪役、どんと来い。 # ダグラスさんから許可はとってあります。 # 友好国があったら嬉しいな、と思います。(笑
https://w.atwiki.jp/gundamzero/pages/25.html
『撤退!ウェールズ・フリート』 陥落したソロモンを後にし、ア・バオア・クーへと脱出すべくソロモンの海を艦隊が進む。 その中心に、巨艦が護られるようにして布陣されている。 その艦のみで1個艦隊に匹敵するとまで言われている、ドロス級大型輸送空母。その2番艦である『ドロワ』である。 ただ、今だ未完成状態で、本来の速度での航行は不可能であり、他の艦艇も損傷を受けていない艦艇は皆無で、追撃を受けるのは時間の問題だった。 「大尉!後方より敵艦隊!」 「やはり追撃に来たか。302隊出るぞ!1艦たりとも沈めさせるなよ!」 「「「了解!」」」 僅か7機のMSでの殿戦。敵艦隊との戦力比からすれば微々たるものだ。 だが、先頭を征く蒼く染められたMSと新兵器の存在。そして搭乗者の技量がそれを覆させていた。 『パーソナルカラー』。連邦でも無い事は無いが 主に公国軍において使用され、味方には士気を、敵には恐怖を与える事を目的としてエースパイロットに与えられる固有の塗装である。 効果はあるが、敵の的になり易いので、エースの中でも一部にしか与えられない物だ。 「沈めぇぇぇぇ!」 叫びと共に放たれる、光の矢。 ジオン公国軍、初となる携帯型ビーム兵器の試作第一号であり、その長さは自機よりも長く、『ドロワ』にすら船外に格納されていた程だ。 「敵は…たった7機なんだぞ…!悪夢だ…!あの蒼い機体は『ソロモンの悪夢』だ!」 「お見事です大尉。残存艦艇に損害はありません」 「潮時か。戻るぞ、カリウス。ドロワに合流する」 『ソロモンの悪夢』 ソロモン海戦と呼ばれる、ジオン宇宙攻撃軍残存兵力を追撃した連邦第三艦隊から、そう呼ばれ畏怖されたジオン公国軍トップエースの一人。 自らが率いる302哨戒中隊を率い、新鋭MSゲルググを駆り、巡洋艦5隻。戦艦3隻を轟沈せしめた英雄とも言える存在。 それが、MSもミノフスキー粒子も何も無い世界に来ていた。 「む…この時になってソロモンの夢を見るとはな…」 寝るつもりはなかったが、30分程寝ていたらしい。 ソロモンの夢を見たのは、この城の外に居る五万の敵兵力の存在が大きいだろう。 三百対五万。その比率はデラーズ・フリートと連邦軍よりも多いと言ってもいい。 廊下に出て、空を、いや宇宙を見上げる。 「星の屑成就の暁には二度と大地より宇宙を見上げることは無いと思っていたが…」 視線の先には二つの月。正直ラグランジュポイント(コロニーが集まる重力安定地帯)とかどうなっているのかと思ったが、まぁ巧くやっているのだろうと思う。 後ろで纏められていた髪を解き、窓枠に腰掛ける。星の屑第二段階の出撃前にもそうしていたように。 「無事でいればよいが…」 気掛かりなのは、ラ・ロシェールで襲撃された時に足止めを買って出た三人。 キュルケ、タバサ、ギーシュだ。 なにせ、星の屑実行中に、そのようにして足止めを買って出た者の中で生き残っているのは302哨戒中隊唯一の生き残りのカリウス軍曹だけだからである。 「思えば、数多くの同胞を失ったものだな…」 トリントン基地襲撃時にゲイリー少尉、アダムスキー少尉、ボブ中尉、コムサイのパイロットを失い キンバライド鉱山基地においては、HLV打ち上げの犠牲としてビッター少将以下、全てのMSが撃破された。 観艦式襲撃から最終段階からにしても、数多くの同胞が散り、自らの艦隊を任せていたグラードルはおろか、デラーズ閣下までもが斃れた。 そして、コロニーの北米大陸落下を見送った後に、月からの追撃艦隊に向け、それこそ星屑のように散っていった者達。 自身もその内の一人だったはずだが、現にこうしてここに居る。 デラーズ・フリートの戦力は壊滅に近いだろうが、作戦が無駄だったとは思わない。 カリウスを初めとした、アクシズ艦隊への脱出者が居る限りそれは無駄ではない。 「…ビスレィ二等兵は生きているのだろうかな」 ソロモン戦の後に、補充兵として配属された若き兵。学徒動員だったはずだが ア・バオア・クーにおいて彼の機体だけ異常を起こし、母艦である『ドロワ』に留まっていた。 その後に、『ドロワ』が沈められたと聞いてからは消息不明である。 そんな事を考えながら、今までの事を回想する。 意外だろうが、ここに来てからまず最初に懐いてきたのがギーシュ・ド・グラモンである。 香水を拾い、因縁染みた事を言われたのだが… ギーシュが軍人の家系と知るや否や生っ粋の軍人であるからには、思いっきり『修正』した。 「君も将校だろう!ただの兵でないのなら、己の行動に責任を持て!」 この後、身長195cmのガトーにより軍人としてあるべき姿としての説教が一時間続いたが、腐っても軍人の家系。 軍人共鳴が発動し終わる頃には、すっかり上官扱いでギーシュから『少佐』と呼ばれる事になる。 現在の服装もノイエ・ジールに予備として積んであったジオン軍服のため、余計に新米と上官に見てしまっているのも一役買っているだろう。 なお、マントは貴族のみが付けるという事なので外してある。まぁ、儀礼用の物なので特に気にはしなかったが。 翌日、中庭でギーシュがワルキューレと呼ばれる青銅のゴーレムを出し、直立不動の姿勢で立っている。 「7体のワルキューレか…3体を1小隊とし 2個小隊に分け残りを直衛に回す事だ。各小隊内で連携が取れるようになれれば、さらに伸びるようになる」 「はい、少佐!」 ジオン公国軍MS小隊編成であるが、MS3機をして1個小隊とする基本戦術。まずこれを教え込んだ。 各個7体に動かすより、統制が取れた1個小隊の方が強い時があるのだ。 が、ギーシュ本人はいいとしても、形の上では、貴族が平民に教えを請うているという形が他の貴族には気に入らないようで 「グラモン家も終わりだな。メイジが平民風情に教えを受けるとは!ま…ドット程度なのだから仕方あるまい」 そう言い放ったのは、ド・ロレーヌ。風系統の名門の家系であるらしく、ラインである。 「僕は確かにドットだが…グラモン家と少佐への侮辱は撤回してもらおう!」 「ならどうする?決闘でもするのか?」 「受けて立つ!」 相変わらずキザったらしく薔薇を加えポージングを取ったギーシュが決闘を受けたが、後ろから重みのある声に止められた。 「気迫は十分。が、獅子は無闇矢鱈に吼えたりはせぬものだ。放っておけ」 「…分かりました」 いかに魔法が使え、平民から恐れられているとはいえ、所詮子供。 数多くの死線を潜り抜けてきたガトーから見れば、圧倒的に足りない物がある。 だが、相手は、このような小物相手にするまでもない、という風に受け取ったのか杖を取り出している。 事実そのとおりなのだが。 「ふん!腰抜けに用は無い!僕は貴様に決闘を申し込む!」 唇の端を上げ、酷薄そうな笑みを浮かべているド・ロレーヌを軽く一瞥する。 似ているどころか、無能な連邦軍高官と同じ目をしている。 「よかろう」 「少佐無茶です!」 「要らぬ心配だ。魔法というものが、どのような物かは大方把握した」 止めようとしたギーシュも、その言葉から滲み出る自信に何も言えなくなる。 MSか生身。違いはあれど、戦場の場数の多さでは少なくとも、ここに居る誰よりも多い。 二人が10メイル程間を開け対峙する。 「君のような平民に名乗るいわれはないのだが、これも作法だ。ヴィリエ・ド・ラ・ロレーヌ、相手仕る。君も名乗りたまえ」 「貴様に名乗る名など持たん。戦う意味さえ解せぬ輩に!」 平時は冷静だが、いざ戦闘になると結構熱くなるタイプである。 特に未熟や無能な敵兵を前にすると、それは一層加速する。 かといって、必要以上に深追いせず、自らの状態を正確に把握できるのが、一般兵とエースパイロットの違いだ。 「この後に及んで…!平民かと思っていたが、手心は加えん!いざ!」 ド・ロレーヌが杖を持ち呪文を唱える。『ウィンド・ブレイク』。風の塊を相手にぶつける呪文だ。 「遅い!」 即座に銃を発砲。弾薬の補給が効かない以上、無駄弾は避けたいとこだが、この場合、今が使いどころだ。 銃弾が吸い込まれるようにして杖に命中し、衝撃で杖を手放す。 「戦場で立ち止まるとは、素人か。確か、ド・ロレーヌとか言ったな…私を敵にするには、貴様はまだ…未熟!」 侮蔑を含んだ声で言い放ったが、相手は何が起こったのか分からないでいる。 だが、杖を折られた以上、魔法を使うこともできない。 踵を返すとギーシュの元に戻ったが、ガトーにしてみれば『戦闘』と呼ぶに値しないものだ。 その場で動かずに居るなど、戦場では的にすぎない。 ただ、手は狙ったが、ブレも考えて腕にも当たるように撃ったはずだが、迷いも無く狙いが付けられた事は少々疑問に思わないでもなかったが。 それからしばらくすると、事件が起こる。 フーケなる盗賊が『巨人の杖』を盗み、その追撃の任に当たる事になる。 関係無い事だったが、生粋の軍人だ。与えられた任務というか仕事は何であろうとこなす。 サボタージュという言葉は一切浮かばないというところは、さすがである。 だが、現物を見て、さすがにたじろいだ。 追撃先に遺棄されるかのように放置されていたその杖は、最も良く知るMS。名機中の名機『ザク』が使う兵器。 H L-SB25K 280mmバズーカ。通称『ザク・バズーカ』だったからだ。 それを確認するとフーケのゴーレムが現れたが ギーシュに半ば無理矢理MS大の腕を作らせ、ゴーレムを陽動し、ザク・バズーカのトリガーを引かせた。 対艦、対MS用の兵器だ。土のゴーレム如き粉砕するのはわけはない。 なお、この後都合よく現れたロングビルは、即捕縛した。 ルイズ達が人質に取られそうになった時は、撃ち殺さんばかりの勢いだったが、踏み止まる。 というか、ルイズ達が止めねば撃ち殺していた。 「少佐!もうフーケのHPはゼロです!」 「落ち着きなさいよ!捕まえなきゃいけないんだから…」 「ぬう…私とした事が感情に流されるとは…不覚…!」 「その、燃え上がるような情熱が素敵…」 なお、決闘後にそれを見ていたキュルケに言い寄られた事は割愛させて頂く。 潜伏当時、交際していたニナ・パープルトンを置き去りにしデラーズの元に馳せ参じたガトーである。 ほとんど相手にしなかったのだが、逆にそれが仇になっているのは、本人も知らない。 そして今現在に至り、アルビオン『ニューカッスル城』に来ている。 夜、アンリエッタが訪れてきて、ルイズに密命を与えに来て一悶着あった。 そこは、ガチ武人のガトー。敵ならともかく、この国の姫であるからには、自然に言葉使いが上官に対しての物のようになる。 命令自体は、情勢的に納得できるものだが、依頼のやり方に多少なりとも嫌悪感を覚えた。 ただ、もちろん、自分の立場を弁えているので何も言わなかったが。 ギーシュが雪崩れ込み、三人での任となったが、翌日には中途でキュルケとタバサ、そしてルイズの婚約者であるワルド子爵が合流する事になったが ワルドに関しては、かなり露骨な嫌悪感が先行する事になる。 理屈などではない。経験と本能で判断した。 「君がルイズの使い魔かい?人とは思わなかったな」 「は…子爵殿」 感情を押し殺しワルドを一瞥する。 メイジらしかぬ、目付きは鋭く逞しい体付きをしており、確かに隊長を名乗るだけの事はある。 もちろん、ガトーも、そこは負けてはいない。むしろ勝っている。 宇宙空間でのMSの機動戦闘には膨大なまでの負荷が掛かる。 AMBAC機動しかり、スラスターを全開にした急減加速。そのGに耐えうるだけのトレーニングは欠かすことはできはしない。 まして、観艦式襲撃からコロニー落着まで、二日近く一睡もせずに化物染みた機動力を誇るノイエ・ジールを自在に操っていたのだ。 伊達に超過酷トレーニング『デラーズ・ブートキャンプ』をやり遂げてはいない。 精神力もさることながら、隊長とはいえ、魔法などというもので戦う者に引けを取るはずは無かった。 「ぼくの婚約者がお世話になっているよ。ん?ぼくの顔に何か付いているのかな?」 ――何故、ここにいる。 「いえ…」 初対面であるが心中そう思わずにはいられない。 「どうした? アルビオンに行くのが怖いのかい? なあに! 何も心配することはないさ。 君は『土くれ』のフーケを捕まえたんだろう? その勇気があれば何だってできるさ!」 そう言い放ったワルドが、グリフォンを呼び先行したが、ガトーは既に殺意すら覚えていた。 「しょ、少佐、もう子爵達は出てしまいましたが」 その様子にビビったギーシュが恐る恐る聞いてきたが、生返事だ。 「行くか」 (少佐でも、やきもち焼くなんて事があるのか) 口に出せば修正されそうだったので言いはしないが、そんな生易しいものではない。 一度胆を嘗めた者だからこそ分かる。 ――シーマ・ガラハウ…何故貴様が、ここにいるのだ。 だからこそ、そう思わずにはいられない。 ワルドは、仇敵と同じ。腹の中に黒々とした物を持ち、栄光あるジオンに仇を成したシーマと似すぎていた。 「相棒は難儀な生き方してるね。堅っ苦しくねぇのか?」 どこからか声が聞こえ思考を中断したが人影は無い。 あるのは脇に置いた一本の剣だけだ。 「生き方に楽も難しいもあるまい。それを分からぬ貴様でもなかろうに」 視線を剣に向けながら真顔で答える。一般人が見たら、間違いなくフラナガン機関行きである。 が、聞こえてきた声は確かに剣からだ。 「それもそうだ。俺なんか、人間よりずっと生きてるんだからな」 インテリジェンスソード『デルフリンガー』 弾に限りがある以上、そうそう使えないので、護身用に買える値で買った物だが、中々興味深い。 剣技に関しては、宇宙攻撃軍に配属される前はギレン・ザビ親衛隊であったため、一通りだが訓練を受けている。 実際に使う事は無いが、儀礼用と言ったところだ。 もっとも、武器を持った時に光る、ガンダールヴの印のおかげで、ほぼ全ての武器の扱いに長けるようになったという妙な事態になっているのだが。 「このような物、如何ほどになろうものか」 左手のルーンを言ったが、基本的にあまり信頼していない。 MS戦においては信じられる物は、己の技量である事が大きかったからであるが。 「…なに見てるの?」 別の声が届くが、その声はよく知っている。 「いや…宇宙で散っていった同胞の事を思うとな」 このガッチガチの武人の主である、ルイズだ。 さすがに、ノイエ・ジールで、MS・艦隊戦を見た上 ザク・バズーカの破壊力を目にしたからには、別世界ないし、宇宙から来たと信じざるをえないでいた。 よく見ると、頬に涙が伝った跡がある。 「あんたの国でも戦争してたんでしょ…?」 「うむ」 「どうして…どうして死を選ぶの?わけ分かんない。姫様が逃げてって言ってるのに、どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶの?」 「閣下にも、信じる大義があるのだろう。それは我々が口を出す事ではない」 「なにそれ。愛する人より大事な物があるっていうの?」 それを聞いて考える。自らも、エギーユ・デラーズの召集に応じて、ニナ・パープルトンを置き茨の園に向かった。 (カリウス…ニナを連れて無事にアクシズ艦隊にたどり着けたのだろうかな。そしてヤツは…) GP-03Dデンドロビウム。腐敗した連邦軍にの中にあって、ただ一人執拗に追いすがってきた兵士。 オーストラリアの大地で、ソロモンの海で、コロニーを護る宇宙で、蒼く輝く地球を後ろにと、幾度と無く剣を打ち合わせた宿敵とも言える若き士官。 (コウ・ウラキ…貴様は今、何をやっている) 決着を付けるため、脱出せずに残り、有線クローアームを利用し背後から組み付き、止めを刺す寸前だったのだが 連邦軍の味方艦隊をも巻き込んだ非道なソーラ・システムⅡの攻撃により水を差された。 あの時、先に稼動したのはノイエ・ジールだったが 反応炉を停止させ、残骸に紛れ漂うデンドロビウムを見た時、止めを刺す気は起こらなかった。 今現在、ニナと交際している相手という事もあるが 他から邪魔をされ、漂流している相手に止めを刺すなど、誇り高きジオン軍人。いや、一人のパイロットとしての矜持がそれを許さなかった。 「早く帰りたい…この国嫌い。誰も彼も自分の事しか考えてない。あの王子様も。残された人達の事なんてどうでもいいんだわ」 「閣下の気持ちは私にも分かんでもない。…私も同じような事をし姿を眩ました事があったのでな」 「あんたも…?なんでよ」 「宇宙市民の真の開放を掴み取るために、やらねばならぬ事があった。だからこそだ。相手に、全てを忘れて欲しかったのだ」 多くの物を捨て去ってきたが、後悔や自戒の念など微塵もない。 ただ、巻き込んでしまったという自責の念だけ巻き起こったが。 「知らないわよ…!好き勝手やって勝手に死んで!残された人はどうすればいいっていうのよ!」 「ぬ…」 こうなれば、落ち着かせるのに時間が掛かる。 ただ、この事に関してはそうしようとは思わなかったが。 「もういい!知らない!!」 踵を返し廊下を駆け出していったが、その背向け言葉を放つ。 「待て!」 「…なによ!」 何時になく真剣な声。いやまぁ、常に真剣なのだが、何時も以上なのでルイズが立ち止まり振り返る。 「一つ忠告しておこう。…ヤツを、ワルド子爵を信用するな」 「そんなの、あんたに関係無いじゃない!」 抜かった。ルイズの性格を考慮に入れていなかった。 今の状態では、言う事全てに反発する事は明白だったというのに。 止める間もなく、背を見送ると息を深く吐く。 滅び行く国に殉じようとする者達。 ア・バオア・クーで右腕を失った14Aの代わりにグワデンで09Rを無理矢理借り受けようとした時の自分と同じだ。 だからこそ、ウェールズ達の心情はよく分かる。 地球から見上げる宇宙と変わらぬ宇宙を見上げ、おもむろに立ち上がると、解いた銀色の髪が月光を受け金色に輝く。 そして、その目には迷いなど一切無い。確固たる信念を持っていた。 翌朝。 非戦闘員の脱出者が、マリー・ガーラント号とイーグル号に乗るため隠し港に殺到している中、ガトーはウェールズを探していた。 「ぬう…こうも人が多いとは」 人の流れに逆らい進むのは容易ではないが、それを掻き分け進んでいく。 「愛しているからこそ、引かねばならない事もある…か」 195cmのガトーといえど、150cmのデルフリンガーを腰に差すというのは無理があるので、09のヒート・サーベルのように背負っている。 「愛するが故に、知らぬふりをしなくてはならない時がある…ねぇ」 「無駄口を叩くな」 「分かったよ。でも、相棒はどうして「私はジオンの再興に身を託したのだ」置いて…。やっぱ難儀だね相棒は」 デルフリンガーの言おうとしている事は分かっていたので、途中で言葉を遮ったが。 「ここからトリステインに帰ったとして、娘っ子はワルドと結婚するんだろ?そうなったら、行く当てはあるのか?。元の世界に帰る方法を探すってのでもいいけど」 「当てなどあろうはずがなかろう。それに私は向こうでは戦死となっているはずだ。カリウスらならば…」 「当てが無いってんなら、傭兵でもやるかね? 今日はこっちの戦場、明日はあっちの戦場と渡り歩いて暴れまわるのさ。実入りは悪くねぇし、暴れ…」 無駄口を叩いたデルフリンガーの少しだけ出ていた刀身を完全に鞘に収める。 しばらくすると、また少しだけ刀身を出して話しかけてきた。 「傭兵は嫌かい?」 「ふん…そのような不逞の輩に成り果たとすれば、ギレン総帥、ドズル閣下、ビッター閣下、デラーズ閣下に申し訳が立たぬわ」 それだけではない。地球に、宇宙に散っていった数多くのジオンの戦士達の栄光を汚す事になる。 それ故に、三年間、海賊行為をしてきたシーマ艦隊は憤激の対象だった。 人の流れに逆らっていると、兵を見つけた。丁度良い。 「ウェールズ閣下を知らぬか?」 「では、式を始める 新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名においてこの者を敬い、愛し、そして妻とすることを誓いますか?」 ワルドは重々しく頷いて、杖を握った左手を胸の前に置いた。 「誓います」 ウェールズは頷き、今度はルイズに視線を移す。 「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール……」 何をやっているかと言うと結婚式だ。 朝起きていきなり、ワルドに結婚式をやると言われ戸惑ってたが 残された者の事など気にしないようなウェールズやガトーの態度が落ち込ませ、半分眠ったような頭で、深く考えずにここまでやってきてしまっていた。 ここまで来て、ようやく結婚式をしているという実感が沸いて出てきたのだが、心の奥底に引っかかっているものがあった。 ワルドの事は嫌いでもない。むしろ、幼い頃から憧れていて、むしろ好いている方だ。 だが、迷いがある。痛痒いというか、軽い虫歯のようなものが残っている。 こうなってくると、一度気になりだしたら止まりはしない。それこそ治療するまで。 一つ忠告しておこう。…ヤツを、ワルド子爵を信用するな。 今までも、信用してない風だったし、何より、昨日は感情が高ぶっていたせいもあり、気にしないでいたが今は違う。 およそ、一切の冗談や世辞など言わないであろうはずの、ガトーが、何時もより重く、真剣な声でそう言った。 毎朝、ほぼ同じ時刻に起こされ、軍隊かと言わんばかりの規則正しすぎる生活に巻き込まれ あの、ギーシュですら『少佐』と呼ぶ程の軍人に辟易していた部分もあるが それでも、半ば無理矢理召喚されたというのに、『義』の一言で済ませて、よくやってくれているガトーを信頼するようにはなってきている。 確かめてみよう。 心中でそう決める。 ルイズが16年間生きてきた中で、小さいかもしれないが初めて持った信念かもしれない。 「新婦?」 「ルイズ?」 ウェールズの詔が続く中、ルイズが首を振り顔を上げたので 二人が怪訝な顔をして覗き込んできたのだが、何時になく真摯な表情をワルドに向ける。 「どうしたね、ルイズ。気分でも悪いのかい?」 「違う、違うの。ごめんなさい…わたし、あなたとは結婚できない」 ASSAULT WAVESが聞こえそうな急展開に、さしものウェールズも首を傾げた。 「新婦は、この結婚を望まぬのか?」 「そのとおりでございます。お二人には大変失礼を致すことになりますが…わたくしはこの結婚を望みません」 これがルイズにやれる、唯一の確かめる方法だ。 ワルドが本気で自分の事を愛してくれているなら、後で訳を話せば分かってくれる。 ガトーの言っている事が事実ならば… ワルドの顔に朱が差し、ウェールズは残念そうにワルドに告げた。 「子爵。誠にお気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続ける訳にはいかぬ」 それに構うことなく、ワルドがルイズの手を取る。 「緊張しているんだ。そうだろルイズ。君が、僕との結婚を拒む訳がない!」 「ごめんなさいワルド。確かに憧れてた、恋もしてたかもしれない。でも…」 そこまで言うと肩を掴まれ、その目がつりあがり、表情も何時もの優しげな顔ではなく、冷たいものに変わった。 「世界だルイズ。僕は世界を手に入れる! そのために君が必要なんだ!僕には君が必要なんだ!君の『能力』が! 君の『力』が!」 ガトーの言っていた事は本当だった。ワルドが欲しがっていたのは、自身ではなく在りもしない魔法の才能。 それだけに悔しかったし、後悔もした。 「わたし、世界なんていらない!」 「ルイズ!いつか話した事を忘れたか!君は始祖ブリミルに劣らぬ優秀なメイジに成長するだろう!その才能に、君がまだ自分で気付いていないだけだ!」 泣きそうになりながら、そう叫んだが続くワルドの剣幕に恐怖し本気で震えた。 その禍々しさすら覚える物言いに。 「ウェールズ殿下なら、今頃、礼拝堂でワルド子爵とヴァリエール嬢の婚姻の媒酌をしている。 ワルド子爵が勇敢な殿下に是非ともと言って頼み込んできたらしい。目出度い事じゃないか」 「く…抜かったぁ!!」 短くそう叫ぶと、すぐさま礼拝堂に向かい駆け出す。 人の波を踏み越えるが、この際仕方無い。 「どうしたんだよ相棒?」 答えない。本気で答える暇が無いのだ。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1000.html
サモン・サーヴァントの儀式の終わった日の夜、ルイズは眠ることが出来ずにいた。 目をつぶっても昼間に起きた出来事が頭の中を駆け巡る。気がついたら東の空から太陽が昇り始めている。 あの後使い魔が消えたことで最もショックを受けていたのは意外にもキュルケだった。 今まで見たことない素直さでルイズに謝ってきたのだ。正直どう反応すればいいか分からなかったので適当に流しておいたが。 ルイズが思いのほか冷静だったのは、自分の手元に召喚した奇妙な箱が残ってたからだ。 今はもう火は出てない。あの時の騒ぎで気づいたときにはもう消えていた。だが壊れたわけではないようだ。 たぶんこの箱から火を出せば再びあの使い魔は現れる。 そして再び私を襲うんだろう。向こうはこっちの事を主人と認識してないようだ。 「あ~もう。どうしよう」 思わずつぶやく。が、そういいながらも心の中ではひとつの覚悟を決めつつあった。 今まで誰よりも努力してきたつもりだが、それでも報われず魔法が成功したためしはない。 その自分が始めてほぼ成功したと言う事ができたのだ。後もう少し。 後はあの使い魔に私を主人と認めさせる。そしてどのメイジにも負けない信頼関係を作る…! (点火「する」。ではなく点火「した」なら使ってもいい!) ルイズの手の中で火が踊った。 また後ろに現れるのではないかと思って、あらかじめ背中に壁を付けておいた。 世の中には背中を見られたら死んでしまう奇病があるという話を意味もなく思い出す。 予定通りと言うべきかどうか、使い魔は今度は自分の前に現れた。 昼間と全く同じ格好の黒尽くめの亜人。そして。 「おまえ…『再点火』したな!」 第一声も全く同じ。 違うのはそれに立ち向かうようにして杖を握りしめるルイズ。 「ええ。『再点火』したわよ」 ドドドドドドドドドドドドドドド………… (やっぱり影だ……) さっきからその場をうろうろするだけの使い魔を見てルイズは確信する。 昼間の出会いのとき心に引っかかったいくつかの単語。 再点火、チャンス、選ばれるべき者、影。 キュルケはこの使い魔がルイズの影に触れた後で、ルイズが叫び始めたと言っていた。 今回はあらかじめ自分の影が壁に向かうようにロウソクを立てておく。 余計な影ができると困るのでカーテンは閉めておいた。 これらは自分の影を守る為の作戦だったのだが、別の事実も浮かび上がらせることになった。 (こいつ。さっきから影の部分しか歩いてない) 使い魔がさっきから歩いているのは、ロウソクの光によって出来た家具の影の部分だけだった。 ひとまず自分は安全地帯にいることを認識したルイズは、使い魔に話しかけてみる。 「あんた名前は?私の使い魔なんでしょ?」 使い魔は動きを止めこっちを見ると答えた。 「チャンスをやろう!お前には向かうべき二つの道がある!一つは生きて『選ばれるべき者』への道!」 (ど~しろっていうのよ) 全く会話にならない。こいつはもしかしてこれ以外の言葉を知らないのか?思わず嘆息してしまう。 ああ。サモン・サーヴァントはもうやり直しできないし、使い魔は話を聞かないし。つまりハサミ討ちの形になるな… …………だんだんむかっ腹がたってきたわ。なんで私だけ使い魔のためにいろいろ考えて寝不足にならないといけないの? 逆じゃあないのか?選ぶのは私で、寝不足になるのはこの使い魔のほうなんじゃないのか? ルイズは相変わらず演説を続ける使い魔に向かって足を踏み出した。 使い魔がルイズの影に触れたと思った瞬間、使い魔に肩を掴まれている状態になっている。 昼間の再現。だからルイズはあわてなかった。 「チャンスをや「うるさい!!!」」 また同じことをリピートしようとする使い魔に一喝する。 「意味わかんないこと言ってんじゃないの!アンタは私の使い魔なの!私がご主人さまなの!」 ルイズはその目をけっして使い魔から離さず睨み続ける。 使い魔の動きが止まる。そして。 「チャンスをやろう!お前には「だからもうそれは聞いた!!」」 使い魔の動きが再び止まる。 「チャン「うるさい!!!」」 両者の動きが再び止まった。相変わらず使い魔の感情を読み取ることはできない。 どれくらいその状態が続いたか分からない。ルイズにはそれこそ永遠のように感じた。だが睨みは効かせ続ける。 使い魔はしばらくするとルイズの肩からトンと押すように手を離した。 よろけて転びそうになる!と思ったのは一瞬で、気がつくと少し離れた場所に立っている。 (今のは『私の体』を掴んでたんじゃないのね) 息を落ち着かせながらそんなことを考える。 使い魔の方を見てみる。雰囲気が変わったとは思えないが、もう襲ってくる様子はないようだ。 「あんた名前は?」 答えは返ってこない。 またひとつ嘆息。 「じゃあもうここは譲歩して私から言うわ。ありがたく聞きなさい。私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」 反応はない。 「あんたを選んだ者よ」 やっぱり反応はない。 どうやってこの使い魔と信頼関係を作る?というよりコミュニケーションを取る?……ルイズは頭を抱えた。そのとき。 「ブラック・サバス」 「え?」 とりあえず名前は知ることができた。いやブラック・サバスが名前なのか本当は分からないのだが この際細かいことは考えないでおく。とりあえず一歩進んだ。ここから少しずつ進めればいい。努力には慣れてる。 この使い魔は何ができるのか。とりあえず簡単な命令からやってみようと思った。 「洗濯とか分かる?コレ」 ルイズは洗濯物が入ったカゴをブラック・サバスに渡す。 使い魔はそれを受け取ると…………なんの躊躇もなく食べた。 え……ルイズはその行動にしばらく絶句してしまう。なにをやったこの使い魔は!? 「何やってんの!すぐ出しなさい!このバカ犬!」 もう信頼関係なんて言葉は頭から飛んでいた。ブラック・サバスは我関せずといった雰囲気でルイズを見下ろしている。 「どうしたのルイズ?」 鍵がかかってたはずのドアが開き、廊下からキュルケが入ってくる。 と、その瞬間ブラック・サバスの姿が消え去った! 「あ!」 思わずルイズは声をあげる。あわててキュルケの横を抜け廊下に出て左右を見渡す。 わずかにだが廊下の端を影の線が伸びている。 もしあれが影上でしか動けなくてもこの上を伝って行けば相当移動できるだろう。 さらに時間が立って影の範囲が大きくなればほとんど学校中を移動できるのでは? 「ちょっとルイズどうしたのよ」 後ろを見るとキュルケが不思議そうにこちらを見ている。その足元には赤くてでかいトカゲが。おい尻尾燃えてるぞ。 「ああ、この子が私の使い魔のフレイムよ。あのさ~、えーと、あんたの使い魔は……やっぱ」 キュルケが珍しく言葉を濁すように話している。どうも自分がルイズの使い魔を殺したと勘違いしているようだ。 最近珍しいキュルケばっか見るな。なんてルイズは思いながらも 「使い魔に逃げられた」などと言うことも出来ずに、ただ廊下の先を見つめていた。 汚れたエプロンなどを洗濯するために水汲み場へ向かうメイドが一人。シエスタである。 今日もいい天気だ。というかよすぎる。 シエスタは少しでも日の光から離れるため校舎の日影の部分を歩いていた。 しかし水汲み場まで残り数メートルは日影がない。それに水汲み場自体は影になるところが無く、日に照らされている。 それでも太陽の光を反射してキラキラと光る水汲み場を見ると、涼しい気持ちになる。 水汲み場へ歩いていく。回りには誰もいなくて、付いてくるのは自分の影だけ。 「お前にチャンスをやろう」 後ろから声が聞こえヒッと悲鳴をあげてしまう。あわてて後ろを振り向く。 そこには黒い帽子に黒いマント、人間とはとうてい思えない顔と体、そしてその右手にはなぜか洗濯かご。 見詰め合うこと数分。 「あの……何かようですか?」 根負けしたシエスタは、目の前の怪しさ爆発の存在に声をかけた。 15分後そこには2人並んで洗濯しているシエスタとブラック・サバスの姿が! 「私ここで使用人をやらさせてもらっています。シエスタと申します」 「…………」 「あ、この洗濯道具は自由に使っていただいてけっこうですよ」 「…………」 「そ、その格好暑くないですか?」 「…………」 「ウミネコだ。ありゃーカモメじゃねぇーぜ。ウミネコだ。どうやって見分けるか知ってるか?」 「…………」 (…………空気が重い。エコーズACT3ってレベルじゃねーぞ!) 横からの妙なプレッシャーに思わず泣きそうになる。 黙々と洗濯をする隣の亜人に、なにか他に話題はないかと頭を回転させる。 「あなたはどなたの使い魔なんですか?」 ……やはり返事はない。もう黙ってさっさとしあげてしまおう。そう思ったとき 「ルイズ」 驚いて横を見るが、使い魔は相変わらず手は動したままこっちを見ようとはしない。 「ルイズ……ミス・ヴァリエールの使い魔なんですね?」 シエスタは会話が繋がったことに驚き、思わず声が大きくなる。 すると急に辺りが暗くなる。何事かと上を見ると巨大なドラゴンが空を通過していく。 「すごいですね。あれも使い魔なんでしょうか。わたし龍は初めて見ました」 ひとり興奮しながらも隣のサバスに話し続ける。 しかし、横を見ると使い魔はいなかった。洗濯物とカゴも消えていた。 To Be Continued 。。。。?